研究概要 |
研究実績の概要(別紙様式8) ヒト乳癌細胞培養株:MDA-MB-231,MDA-MB-435,MKL-4細胞に対して、α_Vβ_3に対するモノクローナル抗体(LM609)を用いて蛍光染色をおこない、Flowcytometryによる発現の検討をおこなった。MDA-MB-231,MDA-MB-435,MKL-4細胞のα_Vβ_3発現率はそれぞれ82%、92%、26%であり、MKL-4に発現が乏しかった。そこで、α_Vβ_3メッセージの発現を以下のPrimerを用いて(α_V:Upper:5'-GACTGTGTGGAAGACAATGTCTGTAAACCC,Lower:5'-CCAGCTAAGAGTTGAGTTCCAGCC)、(β_3:Upper:5'-CTGGTGTTTACCACTGATGCCAAG,Lower:5'-TGTTGAGGCAGGTGGCATTGAAGG),RT-PCRによって検討したところMDA-MB-231,MDA-MB-435ではα_Vとβ_3が共に強発現していたが、MKL-4ではα_Vのみ発現しておりβ_3は発現していなかった。次に、α_Vβ_3の抑制効果が骨転移に及ぼす影響を調べるために、MDA-MB-435細胞(5×10^6個)をヌードラットの胸部大動脈内に接種して骨転移を作成するモデルを用いた。RGDペプタイドを有するechistatin(10ug/kg/min)をヌードラットに5分間投与したところ、両側の上腕・大腿・下腿の計6部位の内、骨溶解像の見られた数において、投与群/対象群で、1.1±1.3/4.0±0.9個、面積は0.6±1.2/2.8±1.6mm^2と有意に骨転移による溶骨性変化が抑制されていた。
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