研究概要 |
臨床医学;平成10年 シアル酸化ファイブロネクチンのtumor markerとしての有用性を検討するため,種々の甲状腺疾患症例の血清をMAbJT-95を使用したELISAを利用してマススクリーニングを行うため、一次抗体としてMAbJT-95、二次抗体として抗fibronectin抗体を使用したELISA法を新たに作製した。このELISAにより現在、甲状腺癌細胞株SW1736のsupernatantをpositive controlとして、実際の甲状腺疾患の血清、尿を計測中である。(武山、小林) 基礎医学:平成10年 臨床的に甲状腺癌は、頚部リンパ節、骨髄、肺、脳に転移しやすいことが知られている。またヒトリンパ球はインテグリンレセプター α3β1、α4β1、α5β1を発現していることが明らかになっている。このためまず我々はMAbJT-95とreactivityを持つ甲状腺癌細胞株(シアル酸化ファイブロネクチンを発現している細胞株)SW1736とreactivityを持たない甲状腺癌細胞株(シアル酸化ファイブロネクチンを発現していない細胞株)TOをMAbJT-95による細胞染色で選択した。次にこの2群の細胞株にあらかじめ抗Bリンパ球抗体で染色したヒトBlymphoma細胞株K562を10^5ccll/mlいれ混合培養した。混合培養後90分後に固定、これら2群の癌細胞とヒトリンパ球との接着の有無、接着した細胞の比率をそれぞれimmunoprecipitation,Western blotting,flowcytometry法を使用し検討したところ2群間で有意の差は認めなかった。次にこれら2群の癌細胞株をあらかじめインテグリンレセプターのantagonistのひとつであるRGDanalogで処理後、K562ををいれ混合培養した。この処理により癌細胞とヒトリンパ球との接着能に有意にinhibitionがかかった。現在同様にあらかじめMAbJT-95で2群の癌細胞株を処理後K562をいれ接着能にinhibitionがかがるかどうかを検討中である。 (武山、田中)
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