研究課題/領域番号 |
10671142
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
米倉 竹夫 近畿大学, 医学部・附属病院, 講師 (00258021)
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研究分担者 |
廣岡 慎治 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (10268394)
今野 元博 近畿大学, 医学部, 講師 (00278681)
窪田 昭男 近畿大学, 医学部, 講師 (10161671)
大柳 治正 近畿大学, 医学部, 教授 (00030958)
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キーワード | nitric oxide / オキシダンストレス / 虚血再灌流障害 / poly(ADP-riboss)polymerase / benzamide / glutathione / ATP |
研究概要 |
【目的】虚血再灌流障害における多臓器障害の原因として、NOとフリーラジカルの相互作用の関与が推測されている。本研究ではNO産生のレギュレーションにより虚血再灌流障害におけるオキシダントストレスの変動の変動と、ならびにその細胞障害のtargetとしてのpoly(ADP-ribose)polymeraseの関与について細胞内ATPの変動とを検討した。 【方法】Wisterラットを用いその部分虚血再灌流(60分血虚、90分再灌流)モデルを作成した。NOの基質としてL-Arg(600mg/kg/時)、NO合成阻害剤としてL-NAME(20mg/kg/時)、対照として生食(5ml/kg/時)をそれぞれ虚血前10前より持続投与した。虚血再灌流終了後、非虚血再灌流肝(NIRL)および虚血再灌流肝(IRL)における組織中の還元型および酸化型glutathione濃度、ATP濃度を測定した。さらに各群にpoly(ADP-ribose)polymeraseの合成抑制剤であるbenzamideを投与し、その変動を比較検討した。【結果】NIRLでは組織中の還元型glutathione濃度とATP値はL-NAME群では低値を示し、酸化型glutathione濃度は3群間で差はなかった。IRLでは組織中の還元型glutathione濃度はL-NAME群では低値を示し、酸化型glutathione濃度はL-Arg群とL-NAME群では高値を呈し、ATP値は3群とも低値を示した。一方Benzamideの投与によりオキシダントストレスとATP値が改善する傾向を認めた。 【まとめ】NOはフリーラジカルが過産生される局所ではオキシダントストレスを助長した。さらに虚血再灌流障害時におけるNOの細胞障害のtargetがこのpoly(ADP-ribose)polymeraseの活性化である可能性が示唆された。
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