研究課題/領域番号 |
10671148
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
椎葉 健一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90196345)
|
研究分担者 |
関 直子 久留米大学, 医学部, 助手 (40226634)
松野 正紀 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004737)
溝井 賢幸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90271949)
七條 茂樹 久留米大学, 医学部, 助教授 (30080592)
|
キーワード | 胃癌 / 癌拒絶抗原 / 癌ワクチン / HLA / CTL / SART-3 |
研究概要 |
1)HLA-A2402拘束性扁平上皮癌抗原(SART-3)蛋白由来のHLA-A24結合性抗原ペプチドの決定とHLA-A2癌患者におけるHLA-A2拘束性CTL誘導能の検討:SART-3 遺伝子はHLA-A24拘束性のCTLを誘導する分子量140、000のSART-3ペプチドの合成に働く。SART-3ペプチドはHLA-A24拘束性にCTL誘導能をもつが、今回HLA-A2に対するbinding motifを基に26種のSART-3オリゴペプチドを選択し、これらのSART-3オリゴペプチドのHLA-A2拘束性CTLに対する抗原刺激能をIFN-γ産生能から検討した。3つの候補ペプチドがHLA-A2拘束性にIFN-γ産生を惹起したが、このうち2つの候補ペプチドは胃癌患者をはじめとする各種癌患者の末梢リンパ球からHLA-A2拘束性のCTLを誘導した。このCTLの誘導はHLA-A2の異なるサブタイプを共通に認識した。さらに誘導されたCTLをクローニングした結果、そのサブラインの中に刺激に用いたペプチドへの特異性を示すクローンが含まれることが判明した。以上のことはこれら2つのペプチドがHLA-A24のみならずHLA-A2を有する多くの癌患者において有望な癌ワクチンとなる可能性を示している。 2)Gene-expression cloning法によるHLA-A2402拘束性胃癌拒絶抗原遺伝子のクローニング:胃癌浸潤リンパ球由来HLA-A2402拘束性CTLが認識するHLA-A24結合ペプチドの単離に成功したが、健康人及び癌患者末梢リンパ球からのHLA-A24拘束性CTL誘導能は現時点では確認できなかった。
|