研究課題/領域番号 |
10671154
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 博 千葉大学, 医学部, 助手 (00232463)
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研究分担者 |
安蒜 聡 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (30251200)
宮崎 勝 千葉大学, 医学部, 講師 (70166156)
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キーワード | 閉塞性黄疸 / 好中球遊走 / ケモタキシス / ケモカイン |
研究概要 |
閉塞性黄疸(閉黄)時における肝細胞障害機序の一つと考えられる好中球の肝組織内浸潤現象につき、ラット閉黄モデルを作成し、肝組織および末梢血好中球を分離しケモタキシス・アッセイによる細胞生物学的検討を加えた。 【実験方法】 正常ラットおよび総胆管結紮により作成した閉黄ラットから肝組織を摘出し組織抽出液を分離した。正常および閉黄ラット末梢血好中球の正常肝抽出液、閉黄肝抽出液、さらにはケモカインIL-8 familyの一員であるCINC/Groに対する走化性を検討し以下の結果を得た。 【結果】 (1)閉黄好中球は、その運動性の亢進を認め、閉黄肝抽出液に対して10μg/mlをピークとする濃度依存性の走化反応を示し、正常肝抽出液に比し走化性の亢進をみた(p<0.01)。(2)CINC/Groに対する走化性は、閉黄好中球は正常好中球に比しより低濃度で走化性の亢進を示し(p<0.05)、より感受性が高いことが示された。(3)抗CINC/Gro抗体にて閉黄好中球の走化性は一部抑制された(p<0.05)。 【知見まとめ】 閉黄時には末梢血中の好中球の遊走能の亢進が惹起され,さらには閉黄肝組織中にはCINC/Groを含めた遊走惹起物質(ケモアトラクタント)の産生亢進が起こっていることが示唆された。今後も閉塞性黄痕における好中球のケモカインとの関係、肝組織内ケモアトラクタント産生につき更なる詳細な検討を加える。
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