研究課題/領域番号 |
10671156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 勝 千葉大学, 医学部, 講師 (70166156)
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研究分担者 |
清野 進 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80236067)
安蒜 聡 千葉大学, 医学部・付属病院, 助手 (30251200)
伊藤 博 千葉大学, 医学部・付属病院, 講師 (00232463)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 胆道腫瘍 / 胆道癌 / ソマトスタチン / ソマトスタチン受容体 / 細胞増殖 |
研究概要 |
分子生物学的手法を用いて胆道系腫瘍に対するソマトスタチンの臨床応用の可能性を検討するため、まずマウスインスリノーマ由来のMIN6細胞を用いて、細胞増殖効果をMTT法にて細胞内のc-fos c-junの遺伝子発現はNorthern blot法により検討した。また、胆道系腫瘍におけるソマトスタチン受容体の発現はRT-PCR法により検討した。その結果MlN6細胞におけるソマトスタチン受容体の発現が確認され、ソマトスタチンの添加培養によりMIN6細胞の増殖は抑制された。また、血清刺激で誘導されるC-fosの発現はソマトスタチンの前処置により抑制された。臨床例では胆管癌3例、胆嚢癌1例、胆管細胞癌1例においてソマトスタチン受容体発現を検討したが、ソマトスタチン受容体サブタイプの内SSTR 2の発現のみが全例に認められた。この様にソマトスタチンはMIN6細胞においてはG蛋白質を介するシグナルにより、細胞増殖の速度を抑える事により細胞増殖抑制効果を発揮する事が示された。また、胆道癌におけるソマトスタチン受容体SSTR 2の発現がみられた事より、胆道癌におけるソマトスタチンの治療応用の可能性が示唆され、今後この点については臨床材料をさらに増やすと共に、胆道癌の浸潤・転移といった種々の癌の進展のステップの中でどこのステップにソマトスタチン受容体発現が特に関与していくかを明確にする事により、ソマトスタチンの胆道癌治療への臨床応用への可能性がより近づいてくるものと期待される。その為に当教室で採取された胆道癌の臨床サンプルにつき、主病巣およびリンパ節転移巣を各々別個にソマトスタチン受容体発現と臨床病理学的背景の比較を行ってきた。それにより胆道癌の浸潤能および転移能の分子生物学的機序とソマトスタチン受容体発現との関係が少しずつ明らかにされてきている所であり、本研究を今後さらに展開していきたいと考えている。
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