研究課題/領域番号 |
10671157
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清水 宏明 千葉大学, 医学部, 助手 (80272318)
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研究分担者 |
貫井 裕次 千葉大学, 医学部, 医員
伊藤 博 千葉大学, 医学部, 助手 (00232463)
宮崎 勝 千葉大学, 医学部, 講師 (70166156)
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キーワード | 主要組織適合性抗原 / 遺伝子導入 / 腫瘍免疫療法 / エレクトロポレーション |
研究概要 |
悪性腫瘍内アロMHC抗原遺伝子導入による腫瘍免疫療法の検討: in vitroにおける実験: F344ラット(RT1A)由来の乳癌細胞株(RT1A^1)にRT1A^2抗原遺伝子をセンス方向に組み込んだpcMRT1Aプラスミドベクターをリボフェクチン法により遺伝子導入し、geneticin selection後、腫瘍細胞におけるRTlA^2抗原の発現をRT1A^2モノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーを実施したところ80%以上の細胞でRT1A^2抗原の発現を認めた。次ぎに、in vitroにおいて宿主F344ラットの脾細胞をエフェクターとしてRT1A^2抗原遺伝子導入乳癌細胞または,コントロールとしてparent癌細胞をターゲットとして細胞障害活性を測定した。遺伝子導入した癌細胞に対する細胞障害活性はparent癌細胞に比し有意に高かった。 in vivoにおける実験: F344ラット背部皮下の乳癌細胞(RT1A^1)を移植し、腫瘍径1cmの時点から、1、3、5日目にpcMRT1Aを腫瘍内局注後、electroporation法により遺伝子導入し、腫瘍径の推移及び生存日数を無処置群ラットと比較し,評価した。electroporation法を用いたアロ抗原の導入群は無処置群に比べて腫瘍の増殖は抑制され、生存期間の延長をみた。しかしながら、腫瘍の消失は認められず、治療終了後、腫瘍は次第に増殖し全例癌死した。 この様に腫瘍内にアロ抗原を効率良く導入できれば抗腫瘍効果をある程度期待できるという結果を得ている。
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