核マトリックス蛋白(NMP)の発現につき、平成10年度に作成したモノクローナル抗体を用いて、蛍光染色により核内に発現していることを確認した。 この抗体による認識がapoptosis特異的なものかnecrosisでも発現するNMPか否かを確認するために、低容量の5-FUにより誘導したapoptosisを用いて確認を行ったが、予想に反してnecrosis特異的なNMPであった。 このため若干の 験計画の変更が必要となり、低容量の5-FUにてapoptosisが発現した株化癌細胞では5-FUの分解酵素であるdihydroprymidine dehydrogenase(DPD)の低発現株であることが判明し、各種消化器癌の外科切除材料を用いてDPDの酵素活性とmRNAレベルでの発現が相関することを証明した。 来年度はこのDPD発現とNMP発現の関係につき検討を行う予定である。
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