研究課題/領域番号 |
10671163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
市川 度 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282738)
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研究分担者 |
長内 孝之 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50301164)
仁瓶 善郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00189341)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 核マトリックス蛋白 / アポトーシス / 消化器癌 / 化学療法 |
研究概要 |
平成10年度に作成した核マトリックス蛋白(NMP)に対する特異的なモノクローナル抗体による認識細胞につき、詳細に検討したところ一部にapoptosis特異的なNMPの発現を認めた。 低容量の5-FUにてapoptosisが発現した株化癌細胞では5-FUの分解酵素であるdihydroprymidine dehydrogenase(DPD)の低発現株であることが判明した。そこで、5-FUのリン酸化に必須の酵素であるorotate phosphorybosyl transferase(OPRT)とthymidine phosphorylase(TP)の発現につき、臨床材料の三次元培養の抗癌剤感受性試験の系では、低DPDかつ高OPRTかつ低TPの臨床材料で優れた抗腫瘍効果の発現を認め、さらには、これらの検体ではapoptosis特異的NMP発現を認める癌細胞が多く発現していた。このことはTUNEL法によるapopstosis発現をみる方法でも確認された。 以上の結果より、消化器癌における5-FUに対する感受性は、DPD・OPRT・TPにより決定され、その抗腫瘍効果はnecrosisというよりもむしろapoptosisによるものであることが判明した。 教室において5-FUを用いた化学療法を行った症例の凍結切片を用いてapoptosis特異的NMPの発現を検討したところ、抗腫瘍効果とこの蛋白の発現は正の相関を認め、さらにはこの蛋白が陽性の症例で陰性症例に比較して生存期間の延長を認めた。 従って、本研究により確立されたapoptosis特異的核マトリックス蛋白の発現は、消化器癌に汎用される5-FUの抗癌効果予測に直接効果のみならず生存期間の点でも有用と結論した。
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