研究課題/領域番号 |
10671170
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00090027)
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研究分担者 |
小田 敏明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90126805)
鈴木 昌八 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20196827)
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キーワード | 血小板活性化因子 / PAF / CINC / NF-κB / 肝切除 / エンドトキシン / LPS / 肝再生 |
研究概要 |
本研究は肝切除術後2〜3日目に通常は非致死的量のエンドトキシン(LPS)血症が起こると高率にラットが死亡するという現象について、そのメカニズムを明らかにすることを目的とした。肝再生の最も盛んな時期にLPS血症が起こると、好中球やマクロファージから産生、放出されるサイトカイン、chemical mediatorが経時的にどのように関与するかを明らかにすることにより、肝切除後の肝再生の病態を明らかにするものである。 70%肝切除48時間後LPS投与に対する血小板活性化因子(PAF)-antagonistの効果を血漿中alanine transaminase(ALT)、TNF-α、CINCの量、及び組織中TNF-α、CINC、PAF receptor(PAFR)のmRNAの発現を検索した。NF-κB、CINCの免疫組織化学的染色および組織学的に好中球の浸潤を検討した。また、PAFの投与を行い、PAF-antagonistの効果を検討した。結論としてPAFは好中球の集積と活性化を介して持続的なCINCの上昇及びNF-κBの活性化に働いていることが明らかになった。LPSによる再生肝の傷害はPAF拮抗剤で前または後投与で有効であり、生存率は有意に向上した。PAF投与後についてもLPS投与と同等の結果が得られた。PAFはLPSと関連して種々の病態で発生し、門脈経由で肝に悪影響を及ぼす。小腸にはPAFRが豊富にある。肝切除を伴う門脈再建において門脈に急性狭窄を生じたとき小腸からPAFが再生肝にどのような影響を及ぼすか、それに対するPAF-Aの効果を見た。また、全肝虚血において肝からPAFやendothelin-1が放出され、腎機能に及ぼす影響を見た。
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