研究課題/領域番号 |
10671172
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安藤 久實 名古屋大学, 医学部, 教授 (60184321)
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研究分担者 |
水野 敬輔 名古屋大学, 医学部, 医員
金子 健一朗 名古屋大学, 医学部, 医員
伊藤 不二男 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | 先天性胆道拡張症 / 膵胆管合流異常 / Whole mount / 腸管神経叢 |
研究概要 |
1. 先天性胆道拡張症(以下本症)にみられる特異的な胆管拡張がどのような機序によって拡張をするのかという点を本研究計画で明らかにすることを目的とした。本症の胆管壁の神経線維の分布を検討する中で、その異常が本症の胆管拡張に関係があるかどうかを検討した。 2. まず、手術的に採取した本症の胆管をザンボニ液により固定した後、実体顕微鏡下で粘膜、粘膜下組織、線維筋層を順次剥離して、外膜の表面近くに展開するMyenteric plexusのWhole mount標本を作成した。これを0.3%TritonX-PBSに2〜3日間浸漬した後、一次抗体として抗PGP9.5抗体に6〜7日間浸漬し、Streptoavidin-biotinperoxidase methodによる免疫組織染色を施行した。 3. 外膜寄りの線維筋層に、極めて良く発達したMyenteric plexusの網状構造が認められ、神経節の分布も明瞭であった。また、神経節間を結ぶprimary strundは細径ながら良好に発達していた。なお、神経細胞数は十分であったものの、その大きさが小さかった。 4. これら神経線維の形態はヒルシュスプルング病のそれに類似しており、本症にみられる胆管拡張がヒルシュスプルング病において巨大結腸が形成されるような病態と類似しているものと考えられた。
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