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1998 年度 実績報告書

食道発癌感受性を決定する因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10671185
研究機関大阪大学

研究代表者

矢野 政彦  大阪大学, 医学部, 助手 (70273646)

研究分担者 瀧口 修司  大阪大学, 医学部, 寄附講座教員 (00301268)
土岐 祐一郎  大阪大学, 医学部, 助手 (20291445)
井上 雅智  大阪大学, 医学部, 助手 (80232560)
辻仲 利政  大阪大学, 医学部, 講師 (40188545)
塩崎 均  大阪大学, 医学部, 助教授 (70144475)
キーワード食道癌 / genetic susceptibility / 重複癌 / GST / NAT
研究概要

疫学的に食道癌発癌のリスクファクターとしてタバコが知られている。タバコの中に含まれる発癌物質の代謝活性化や解毒化には薬物代謝酵素が関与しているが、最近これらの薬物代謝酵素には遺伝子多型が存在することが明らかになり、これらの酵素活性の遺伝的な高低が個人の食道発癌感受性に大きく影響する可能性がある。
これまで代謝活性化に関与する酵素としてチトクロムP4501A1,2E1、解毒化に関与する酵素としてグルタチオンSトランスフェラーゼMの遺伝子多型の頻度を健常人と食道癌患者で比較検討したが、いずれの酵素も両群間で有意な差はみられなかった。
平成10年度は、N-アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)、グルタチオンSトランスフェラーゼP(GSTP)などのphase||酵素の遺伝子多型について検討した。その結果、NAT2のslow or intermediate acetylator typeの割合が食道癌患者に有意に多く、本遺伝子型が食道発癌の危険因子(オッズ比3.0)であると考えられた。また、GSTPのAAtypeも食道癌患者でその頻度が有意に高く、同様に食道発癌の危険因子(オッズ比8.0)であることがわかった。(Morita S.et al.Int J Cancer79,517-520,1998)
さらに、食道癌と同時性または異時性に重複する頻度が高い頭頚部癌患者においても同様に薬物代謝酵素の遺伝子多型を解析中した結果、喉頭癌では食道癌と同様NAT2のslow orintermediate acetylator type(オッズ比2.7)とGSTPのAAtype(オッズ比2.4)が発癌危険因子であったが、咽頭癌ではCYP1A1のVal/Val typeが危険因子(オッズ比5.7)であることが明かとなった。(Morita S.et al.Int.J Cancer80,685-688,1998)
今後さらに研究を進めることで、食道発癌の高危険群の同定、頭頚部二次癌発生の予防等の臨床応用に役立てたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yano M.: "Successful Resection of Thoracic Esophageal Cancer Associated with the Right Aortic Arch." Surg. Today. 28. 76-78 (1998)

  • [文献書誌] Yano M.: "Primary Malignant Melanoma of the Esophagus Associated with Adenocarcinoma of the Lung." Surg.Today. 28. 405-408 (1998)

  • [文献書誌] Yano M.: "Concurrent chemotherapy(5-Fluorouracil and Cisplatin)and radiation therapy followed by urgery for T4 squamous cell carcinoma of the esophagus" J.Surg.Oncol.70. 25-32 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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