研究課題/領域番号 |
10671195
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒木 祥司 九州大学, 医学部, 講師 (30215090)
|
研究分担者 |
清水 周次 九州大学, 医学部, 助教授 (70274454)
山口 幸二 九州大学, 医学部, 講師 (50191226)
千々岩 一男 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90179945)
能城 浩和 九州大学, 医学部, 助手 (90301340)
|
キーワード | 胆汁酸合成 / 7αヒドロキシコレステロール / 肝予備能 / コレスチラミン / 負荷試験 / 肝切除 |
研究概要 |
(1)血清7αヒドロキシコレステロールの分析法の開発:血清中の7αヒドロキシコレステロール脂肪酸エステルをコレステロールエステラーゼにより加水分解し、コレステロールオキシダーゼにより7α-hydroxycholest-4-en-3-oneに定量的に変換することができた。しかしながら、高速液体クロマトグラフィーによる分析は、正常血清濃度が最小検出限界ぎりぎりであり、コレスチラミン負荷後の血清濃度の測定は可能であるが、負荷前の測定は定量性に乏しいことが判明した。 (2)動物モデルにおけるコレスチラミン負荷試験の検討:予備実験として、コレスチラミンの投与量と投与期間を検討した。雌性ハムスター各群6匹を用い、0、0.5、1、2、4、10%コレスチラミンを28日間投与した。肝コレステロール7α水酸化酵素活性は1%以上で有意な増加を示したが、血清7αヒドロキシコレステロール濃度は有意な上昇を認めなかった。4%以上のコレスチラミンを投与した際には、体重減少が著明で死亡する動物があり、投与量としては2%が適当と考えられた。次いで2%コレスチラミンを0、1、3、7、14、21、28日間連続投与したところ、肝酵素活性と血清濃度との正の相関が3日目まで認められた。以上より2%の投与量・3日間の投与期間が適切と考えられた。この結果は英文論文としてLipids,34:817-823(1999)に掲載された。 (3)肝切除術前後の胆汁酸合成予備能に関する臨床的検討:肝細胞癌、胆嚢癌、転移性肝癌などで肝切除術を施行する患者の術前・術後の血液検体を採取し、血清7αヒドロキシコレステロール濃度を経時的に測定したところ、胆汁酸合成能は術後7日目まで低下し、14日目には上昇し、21日目には正常値に回復する結果が得られた。この成果は英文論文として現在投稿中である。
|