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1998 年度 実績報告書

マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP7)の消化器癌の浸潤・転移への関与

研究課題

研究課題/領域番号 10671198
研究機関九州大学

研究代表者

吉河 康二  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (80124816)

研究分担者 定永 倫明  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20304826)
畠中 正光  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40253413)
渋田 健二  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70253531)
山縣 基維  九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90294975)
森 正樹  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
キーワード癌浸潤、転移 / MMP7 / リンパ節転移 / 予後 / 脈管浸襲
研究概要

1) 我々は大腸癌においてMMP7の発現が臨床病期に相関し、胃癌において深達度、リンパ節転移、脈菅侵襲と関連があることを示してきた(Mori et al.1995 Cancer,Honda et al.1996 Gut)。
2) 我々はさらに食道癌におけるMMP7のmRNAを実際の患者の臨床検体を使用して調べ、やはり患者の65%でその発現が腫瘍において亢進し、T/N比の値は3.1であった。平均値より高値群と低値群のの2群に分類すると高値群は低値群に比してリンパ節転移の頻度が有意に高く(p<0.05)、多変量解析の結果これはリンパ管侵襲を介することが示唆された。
3) また、MMP7の高値発現群は低値発現群に比して悪い予後を示すことが示され(p<0.05)、多変量解析では古典的臨床病理学的因子と独立した因子であることが示された(p<0.01)。
4) 免疫染色の結果、MMP7は癌細胞自身に染色を認めるが間質細胞ではほとんど発現を認めず癌細胞自身の浸潤、転移に関わっていることが示唆された。また、Western analysisの結果MMP7の蛋白質の発現はmRNAと同様に腫瘍で発現が亢進していることがしめされた。
5) 我々は、type I collagen gel上にtype IV collagenでcoatingしPAE細胞を重層し、生体内における脈管侵襲モデルを作成し、MMP7を内因性に発現する食道癌株化細胞TE14による浸潤実験を施行した。TE14はPAE細胞の層を超えtype I collagen gel内に浸潤するのが観察された。しかし、これはMMP7 monocional抗体によりblockされ、MMP7の脈管侵襲への影響が示唆された。
6) 食道癌の株化細胞はMMP7を発現する頻度は11例中TE14わずか一例のみであり、臨床検体とのdiscrepancyを示したが、このことは癌組織における間質成分の相互関与がMMP7の発現には必要であることを示唆している。我々は今後食道癌株化細胞に対するMMP7 expression vectorを構築しtransfectionによる影響の程度を検討し、MMP7の臨床診断、治療戦略への応用を検討していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mori M.: "Analysis of MT1-MMP and MMP2 expression in gastric carcinoma." Int J Cancer. 74. 316-321 (1997)

  • [文献書誌] Mimori K.: "Clinical significance of tissue inhibitor of metalloproteinase expression in gastric carcinoma." Br J Cancer. 76. 531-536 (1997)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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