研究課題/領域番号 |
10671203
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
秦 史壯 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70291557)
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研究分担者 |
向谷 充宏 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00253998)
村上 弦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30157747)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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キーワード | 肝静脈 / 門脈 / 肝後区域 / 人体解剖 / 後上亜区域 / 後下亜区域 |
研究概要 |
本研究では、Dissection法を用い門脈分岐形態によって後区域を上下亜区域(S6、S7)に同定する試みと、門脈分岐形態から同定不能例に関し肝内静脈がその指標となり得るかどうかも検討した。<材料と方法>正常肝剖出標本197例を使用し、後区域門脈分岐形態に基づいて弓状型(A)、2分岐型(B)、3分岐型(C)、前区域枝一体型(D:後区域枝幹を形成しない例)に分類した。また、AとBに関して、肝静脈が亜区域分類の指標となりえるかについても検討を加えた。<結果>A type 32.0%、 B type 27.9%、C type 6.6%、D type 33.5%であった。A typeは後下亜区域枝(P6)を複数もち分岐角度も下方〜上背側方向へと段階的に変化するため、どの分枝から後上亜区域枝(P7)とすべきかの判断は困難であった。B typeは後区域幹がP6とP7に明らかに2分岐するのでS6、S7は明瞭であった。C typeは横走する中間分枝が太く発達した例のみ、P6は下方、P7は下方に明らかに分枝するのでS6、S7境界の同定可能であった。D typeは後区域枝幹を有しないため、時に前区域との境界が不明瞭となるが、B type類似型、中間枝の発達したC type類似型ではS6、S7境界は同定可能であった。亜区域分類の指標としての静脈に関しては、亜区域枝と3次元的に噛み合う直径3mm以上の静脈を有する例をA typeで36.5%、B typeで46%に認めた。しかし、必ずしもS6、S7境界指標にはなっていなかった。<結語>後上下亜区域の同定は、門脈分岐形態や静脈の走行からは、解剖学的に30〜40%の例で不可能であった。
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