研究課題/領域番号 |
10671205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
池 秀之 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 助教授 (60254174)
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研究分担者 |
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 助手 (70254208)
嶋田 紘 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 教授 (90117747)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 大腸癌肝転移 / p53 / p21 / waf1 |
研究概要 |
分子生物学的手法を用いて大腸癌肝転移巣に対する化学療法の効果を予知しうるかを検討した。 【対象及び方法】 1992年から1996年まで教室で大腸癌肝転移に対して抗癌剤(5-FU)の肝動注を行った症例75例に対し、原発巣のホルマリン封埋標本を用い、変異型p53の発現とその関連遺伝子であるp21/waf1の発現を免疫染色(ABD法)を用い検索した。 【結果】 1.原発巣、肝転移巣の染色率はp53がそれぞれ48%、46.7%で、p21/waf1は38.7%と30.7%であった。また原発巣と転移巣で発現が一致する率はp53が90.7%で、p21も81.3%となっており、ともに原発巣と転移巣で発現が一致する傾向を認めた。 2.p53とp21の発現との間には原発巣と転移巣でともに明らかな相関を認めた。 3.原発巣の染色別の残肝無再発率の検討では、肝動注施行例において累積5年無再発率はp53陰性例で81.7%、p53陽性例で67%となっており、陰性例で良好である傾向があった。p21/waf1においては、陰性例で40,1%、陽性例82.6%となっており、陽性例で良好である傾向があったが、いずれも有意差はなかった。 4.p53とp21/waf1の染色と残肝無再発率の関係を検討した。肝動注非施行群では、p53が陰性でp21が陽性であった症例とp53が陽性でp21が陰性であった症例に残肝再発率に有意差を認めなかったが、肝動注施行群では、p53陰性およびp21陽性症例が有意に残肝再発が低い傾向があり、肝動注の効果を反映していると考えた。
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