RACE法によりCloningしたPTEN2(仮名)のcDNA fragmentをBAC libralryを用いてscreeningした。新規の遺伝子と思われたPTEN2はchromosome9上のpseudogeneであった。 10個の食道扁平上皮癌、6個の胃癌、2個の乳癌の培養細胞株でPTENの翻訳領域における変異の有無をdirects-sequenceにより解析した。また、mRNAあるいはPTEN蛋白の発現をNorthern blotあるいはWestern blotにて解析した。胃癌の1個の株でPosphatase domainにmisssense mutationをみた。構造異常は確認されないもののmRNAの発現していない細胞株が乳癌および胃癌で各々1個ずつあった。これらのcell lilneではpromoter領域のhypermethylationによるmRNAの発現低下が確認された。またPTENの不活化の生じているCell lineではAktの発現亢進があり、両者の関連が示唆された。 胃癌(10例)、乳癌(10例)のprimary carcinomaでLaser capture microdissection systemにて、がん細胞をselectiveに採取し、PTENおよびAktのmRNAをABI7700によりreal-time quantitative PCRで解析したところ、scirrhouse carcinomaの浸潤部でPTENの発現減弱をみた。PTENの発現が低下している例では、Aktの発現も低下していた。免疫染色でも同様の結果であった。これらの症例はいずれもscirrhouse typeのcarcinomaであった。とくに胃癌のSignet-ring cell carcinomaではPTENの発現減弱が著明であった。PTEnの値路森林酸化機構は、scirrhouse typeのcarcinoma cellのsurvivalに関連し、この種のがんでapoptosisの回避に重要な役割を担っている可能性が考えられた。
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