研究課題/領域番号 |
10671213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (20142242)
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研究分担者 |
岡田 真樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (40254924)
佐藤 知行 自治医科大学, 医学部, 助手 (50225976)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 表面型早期大腸癌 / 隆起型早期大腸癌 / microsatellite instability / アポトーシス / p53 |
研究概要 |
表面型大腸早期癌と隆起型大腸早期癌の遺伝子学的な相違点を検討することを目的として本研究を行った。Ki-ras mutationに関しては、すでに報告しているように、表面型早期大腸癌では隆起型早期大腸癌と比較してKi-ras mutationの頻度が有意に低率であることが示された。また、microsatellite instabilityに関しては、右側大腸の病変に関してのみ、表面型大腸早期癌は隆起型大腸早期癌と比較して有意にMSIの頻度が高率であった。また、右側の進行癌においては、Ki-ras mutationを認めない病変にMSIの頻度が高かった。このことから、右側大腸においては、表面型大腸癌がMSI陽性進行癌のprecursorである可能性が示された。左側大腸においては、このような結果は得られず、MSIに関しては表面型早期癌と隆起型早期癌においてその頻度は同様であった。アポトーシスを示すTunnel Indexに関しては、表面型早期癌ではp-53陽性例は陰性例に比較して有意に低い値を示した。また、Ki67 Labelling Index/Tunnel Indesの比は表面型早期癌ではp-53陽性例は陰性例に比較して有意に高い値を示した。一方、隆起型早期癌ではそのような傾向は認められなかった。この結果から、p-53依存性のアポトーシスが表面型大腸早期癌発生に関与していると考えられた。以上より、表面型大腸早期癌と隆起型大腸早期癌には異なった遺伝子学的変化が存在するものと考えられた。
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