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1998 年度 実績報告書

消化器癌における化学療法剤感受性とその機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671225
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

船曳 孝彦  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40084537)

研究分担者 桜井 洋一  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60170651)
キーワード抗癌剤感受性 / 消化器癌 / thymidylate synthase / DPD
研究概要

5-FUの効果発現およびその感受性はチミジル酸合成酵素(thymidylate synthase,TS)とdehydropyrimidine dehydrogenase(DPD)に関わるとされるがFP療法を施行した時のチミジル酸合成酵素やDPDの変化は明らかではない。そこで本年度はヌードマウス可移植性ヒト消化器癌株を用い、FP療法を施行し、腫瘍組織中のチミジル酸合成酵素およびその阻害率DPD活性を測定し、5-FU単独投与時における値と比較検討した。
胃癌株SC-1-NU(組織型:低分化腺癌)をBALB/c(nu/nu)雄性ヌードマウスに移植し、A群)5-FU(20mg/kg):連日5日/週、B群)CDDP(1.5mg/kg):5日間/週間、C群)5-FU(20mg/kg)+CDDP(1.5mg/kg):5日/週、D群)CDDP(7.5mg/kg):1日/週、E群)5-FU(20mg/kg):5日/週+CDDP(7.5mg/kg):1日/l週、F群)生理食塩水(0.2ml/body):5日間の6群に分け、これらを1クールとし実験的化学療法を1クール(短期)、4クール(長期)投与を(各群5匹)施行した。SC-1-NUは化学療法終了後ヌードマウスの腫瘍を摘出し組織中のチミジル酸合成酵素(thymidylate synthase,TS)、total TS,free TS、(%TS inhibition rate,%TSIR)DPDを測定しFP療法の効果を5-FU単独投与と比較し検討した。
TSは短期投与のA,B,C,D,E群でそれぞれ64±24,80±57,68±32,112±21,50±22,120±68でありCDDP併用を含めた5-FU投与群(A,C,E群)で高い傾向を示した。長期投与群ではいずれの群でも短期投与群に比較し著明に低値であり各治療群間に差を認めなかった。短期投与のA,B,C,D,E群でそれぞれ5±2,43±4,4±2,47±4,4±2,39±12%、長期投与のA,B,C,D,E群でそれぞれ10±15,52±1,6±2,43±8,6±2,44±25%と短期投与、長期投与間に差はなく5-FU非投与群に比較し5-FU投与群(A,C,E群)で有意に高値であった。DPDは短期投与のA,B,C,D,E群でそれぞれ23±4,14+3,19±4,13±4,15±10,10±6pmol-mg Protein^<-1>であり有意差を認めなかった。
短期的および長期的な5-FU投与によりTS阻害率は著明に上昇したがCDDPの併用によりTS阻害率がさらに上昇することはなく、抗腫瘍効果の増強はTS阻害以外の機序が存在するものと考えられ、さらにTSのmRNAレベルでの検討も要すると考えられた。またこれらの実験的データをもとに実際の臨床例でもTS,DPDを測定し、抗癌剤の感受性も検討しこれとの関連も検討する予定である。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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