研究概要 |
本年度は以下の研究成果をえた。 1. HLA-A2402cDNA及び癌抗原ペプチドの作製した。即ち、HLA-A2402cDNAはSART-1抗原を同定する際に用いたCTL株と同一患者由来リンパ球よりmRNAを分離し、SART-1抗原遺伝子をコードする蛋白のアミノ酸配列の中からHLA-A2402分離結合ペプチドを作製した。 2. 癌抗原ペプチドによるCTL株の誘導を実施し、以下の成果を得た。 イ.SART-1ぺプチドによるCTL誘導:1)癌ワクチンはHLA-A24拘束性ペプチド(SART-1_<690-698>)がHLA-A24+食道癌患者リンパ球より強いCTL誘導能を有することを見出した(Kikuchi et al.,Int.J.Cancer in press,1999)。2)アジュバントを決定する目的でSART-1_<690-698>ペプチドによるDTL誘導の至適条件を各種サイトカインを用いて解析した。3)HLA-A26拘束性ペプチドSART-1_<736-744>がHLA-A2601,-A2602,-A2603癌患者のいずれからもCTLを誘導することを見出した。 ロ.SART-2癌拒絶抗原遺伝子:100kdのSART-2抗原が扁平上皮癌粗面小胞体内に選択的に発現していることを明らかにするとともに、同抗原内にHLA-A24^+食道癌患者リンパ球よりCTL誘導能を有する3つのnonapcptideを同定した。 ハ.SART-3癌拒絶抗原遺伝子:140kdのSART-3抗原が増殖細胞に選択的に発現し、かつ癌細胞に限って核内にも発現することを明らかにした。同抗原内にHLA-A24^+扁平上皮癌患者リンパ球よりCTL誘導能を有する2つのnonapcptideを同定した。
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