研究概要 |
1.ETS-1により血管内皮細胞に誘導される血管新生関連遺伝子の解析 1)ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)およびヒト大網由来内皮細胞(HOMEC)におけるETS-1発現の検討 HUVECにおけるets-1 mRNAの発現がRT-PCRにて確認された.HUVECに対する血管新生因子VEGFおよびbFGFの濃度・時間依存的なets-1 mRNA発現増強作用が確認された.また,ヒト大網組織から内皮細胞(HOMEC)の単離培養に成功し,ets-1 mRNAの発現を検討した.非刺激時にはets-1 mRNAの発現は認めなかったが,VEGFおよびbFGF刺激による濃度・時間依存的なets-1 mRNA発現増強がみられた. 2)ets-1 anti-sense oligonucleotideによるets-1 mRNA発現の抑制 血管新生因子刺激によりets-1 mRNA発現増強が認められた内皮細胞にリポフェクチン法にてets-1 anti-sense oligonucleotideを導入すると,ets-1 mRNA発現の抑制(約70%)が可能であった.HUVECに対してもets-1 anti-sense oligonucleotideによりets-1 mRNA発現の抑制(50%)が可能であった. 今後,血管新生因子によってets-1 mRNA発現が増強した細胞とanti-sense oligonucleotideによってets-1 mRNA発現が抑制された細胞を用い,differential display法による遺伝子発現の差異を検討する.
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