研究課題/領域番号 |
10671234
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
是永 大輔 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90170414)
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研究分担者 |
武末 文男 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30299599)
安田 光宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90269043)
犬塚 貞明 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40258596)
本田 雅之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (40330972)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 発癌 / フリーラジカル / SOD / 活性酸素 / DSS / 抗酸化 |
研究概要 |
【目的】潰瘍性大腸炎は大腸癌のリスクファクターであり、羅患範囲が広く、発症後10年以上経過した症例に発癌率が高い。一方、潰瘍性大腸炎の病態に活性酸素の過剰産生は重要な役割を担っている。これまでの研究により、DSS惹起性大腸炎モデルを用いて大腸癌の作成が可能であり、本実験モデルはヒト潰瘍性大腸炎に関する発癌機序の解明に有用であることが証明された。さらに炎症性腸疾患の発がん過程において抗酸化防御機構の破綻が関与している可能性が示唆された。今年度はSODやVit-Cなどを用いた抗酸化防御系の治療によってDSS惹起性大腸癌を抑制する可能性について検討した。【方法】CD-1マウスに4%DSS溶液を7日間自由飲水させた後、飲料水で14日間飼育する実験を設定した。このDSS投与群に対してDSS+SOD投与群およびDSS+Vit C投与群を治療群として飼育した。4周期の投与終了後にマウスを屠殺し、摘出大腸の病理学的検討とともに大腸粘膜の過酸化脂質(MDA)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)および8-ヒドロキシグアニンの測定を行った【結果】(1)異型上皮と癌病巣の発癌率はDSS投与群で28.6%(4/14)、DSS+SOD投与群で25%(3/12)、DSS+Vit C投与群であり、SODやVit-Cによる発癌抑制効果は認められなかった。(2)SODやVit-Cの各治療群ではDSS投与群に比して大腸粘膜SOD活性の上昇が認められた。【結語】SODやVit-Cによる治療実験の結果、発癌予防には至らなかったものの、抗酸化防御機構の改善が認められた。抗酸化剤やスカベンジャー臨床応用に関して、薬剤の投与量や投与法などを含めた今後の研究の進展が待たれる。
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