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1998 年度 実績報告書

胸腺免疫系操作による異種臓器移植のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671235
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

森本 剛史  愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (70182269)

研究分担者 田口 修  愛知県がんセンター, 病理学第二部, 室長 (00142167)
キーワード胸腺 / 異種臓器移植 / ヌードマウス / ラット / ブタ / ウシ / ウサギ / モルモット
研究概要

げっ歯目であるヌードマウスの免疫能が同目他種や異目の胎児胸腺の移植で獲得されるかどうかを検討した。BALB/cヌードマウスの腎被膜下に同目の異種(ラット、モノレモット、ハムスター)、あるいは重歯目(ウサギ)や偶蹄目(ウシ、ブタ)の胎児胸腺を移植し、各群マウスの免疫能を羊赤血球(SRBC)に対するPFCアッセイで観察した。また同マウスの免疫系を組織学的、免疫学的に解析した。
すべての目からの移植胸腺は胸腺特有の形態をとって発育した。移植胸腺内のリンパ球の分化の程度をみるために表面抗原をFACSで解析した。その結果、すべての目の移植胸腺内のリンパ球はほとんどがマウスCD90(Thy-1.2)陽性であることから、ホスト由来のリンパ球であった。さらにそれらは正常マウスなみにCD4(L3T4)、CD8(Lyt-2)やTCRαβの発現があった。各群のマウスにSRBCを注射し、7日後にPFCで免疫能を検討したところ、各群とも免疫能が獲得されていることが明らかとなった。各群のマウスともに肺、肝臓、腎臓等には異常はなかったが、眼、唾液腺、甲状腺、胃等に炎症反応がみられ、血中には炎症に伴って自己の臓器と特異的に反応するIgG自己抗体が検出できた。興味あることには胸腺ドナーにより自己免疫病の発症臓器に差がみられた。涙腺炎と卵巣炎は異種胸腺の移植を受けたどの動物群にも高頻度に発症したが、舌下炎や甲状腺炎は胸腺ドナーにより発症頻度がかなり異なっていた。目を越えて胸腺上皮はT細胞を分化させる事ができるが、その免疫系は一部の自己抗原に対して寛容になれないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Igakura,T.et al: "A null mutation in basigin,an immunoglobulin superfamily member,indicates its important roles in peri-implantation development and spermataogenesis" Dev.Biol.194. 152-165 (1998)

  • [文献書誌] Takeuchi,M.et al: "Suppression of spontaneous uveoretinitis development by non-immunopathogenic peptide immunization" Eur.J.Immunol.28. 1578-1586 (1998)

  • [文献書誌] Ohno,K.et al: "Successful transfer of localized autoimmunity with positively selected CD4+cells to scid mice lacking functional B cells" Autoimmunity. (in press).

  • [文献書誌] Yasumura,M.et al: "Protective effects of 5,6,7,8-tetrahydroneopterin against X-ray radiation injury in mice" Biochim.Biophys.Act. (in press).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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