平成10年度から継続している生後2日の仔兎(Newzealand White)に対する肺血管成長促進物質ヘパリンとその拮抗物質プロタミン投与群におけるヘパリン親和性の成長促進物質であるbasic FGF、VEGFの肺組織内での発現についてその局在と量を評価した。その結果、ヘパリン投与によりVEGFの発現が増加し、特に肺胞上皮に強く発現することが明らかとなった。Basic FGFの発現については両群に差はみられなかった。また、羊に対し皮下埋め込み型の静脈内薬剤投与インフュウザーによる持続的ヘパリン投与を行い、この投与システムの安定性、有効性を検証した。肺組織について血管増殖促進の程度と正常な成長との相違等について現在、組織学的生化学的に検討中である。この投与システムによる肺血管成長促進療法が実用化されれば先天性心疾患等の患者が家庭生活を営みながら肺血管成長促進の治療をうけることが可能となる。
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