研究概要 |
白色家兎9羽を全身麻酔下に犠牲死させ,気管を切除してリング状の9組織片に細切し,非冷凍および冷凍気管組織片を作成した。保存条件:セルバンカー(牛血清入り)(日本全薬工業株式会社)中に浸漬し,1℃/分の速度で冷却したのち液体窒素中に保存した。保存期間:2週,4週,6週,8週,12週,18週,24週,48週の8保存期間を設定した。解凍条件:冷凍組織はすみやかに室温に戻し,PBSで洗浄し,10%FBS加DMEM,37℃で30分間インキュベーションする群と代謝が冷凍状態から復くするのに必要な時間として24時間インキュベーションする群を作製した。組織標本作製:インキュベーション終了後は10%緩衝ホルマリンにて固定しパラフィン包埋を行った。標本の観察:病理組織標本について,(1)H-E染色による気管支上皮細胞の変化を観察すると共に,(2)拒絶反応に密接に関与するMHC Class I抗原の変化を観察したMHC class I抗原量の評価には一次抗体としてMouse(monoclonal)Anti-Rabbit MHC Class I(Biosource International,#ALU0031),二次抗体としてFITC標識抗マウスIgG羊血清(DAKO社,F0479)を用い,共焦点レーザー顕微鏡(ツアイス社,ZLMS0042)による気管支上皮細胞の輝度測定を行った。 結果:H-E染色標本の光学顕微鏡による観察では,30分インキュベーション後では上皮細胞の扁平化が認められたが,24時間インキュベーション後では扁平化した上皮細胞を持上げる様に基底膜に接して立方状の上皮細胞が認められた。共焦点レーザー顕微鏡による観察では,2週間後から蛍光の減弱が認められるウサギがありすでにMHC Class I抗原の低下が始まっている可能性が考えられ,現在総てのウサギについて詳細な検討を行っている。 投稿中の成果は以下の通り, 1.Imaging of the structure of the bronchial wall with endobronchial ultrasonography (American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに投稿中)
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