1. gap junctionの加齢による変化 これまでの研究によって、若年から成熟期(ラット)にかけて心筋における主たるgap junction channel構成蛋白の一つであるconnexin43は増加し、さらに老齢期になるとその蛋白の減少が起こるという現象が、蛍光抗体染色・免疫電顕的観察及びwcstern blottiogによる蛋白定量により確認された。これらの現象は心筋の加齢にとって重要な意義を有すると考えられ、さらに現在、免疫電顕を3次元構築する事によりその分布状態を確認し、calciumやcyclic AMPの移動状態について実験検討中である。 2. Gap junctional channel protein発現遺伝子導入 心筋内への遺伝子導入に関してはin vivoにおける有効な導入方法が確立していないのが現状である。 我々はin vivoにおいて最近開発した心筋特異的発現adenovirusをベクターとし、下記の方法により有効なlac Zの発現を確認した。 (1).ラットを気管内挿管・人工呼吸器下に左開胸 (2).上行大動脈・肺動脈を一括にtaping(3).心尖部より上行大動脈に220のcannulaを挿入 (4).上行大動脈・肺動脈のtapeを締め、心筋特異的発現adenovirusを10秒間ゆっくり注入(総量0.2ml)。 この方法を用いることにより加齢ラット心筋にGap junctional channel protein発現遺伝子を導入することは十分可能であると考えられ、現在成熟ラット心筋において試験中である。
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