平成11年度の研究としてこれまで、我々が研究を続けてきたElE3欠損型アデノウィルス5型をベクターとする遺伝子導入が、1.効率よく心筋内に導入可能かまた、2.実際に効果的かを検討した。これらの研究は実際にgap junctionを心筋内て発現させるためには非常に重要な一段階であると考えられる。 1.AxCALacZを1998年Hajjar.RJらによって報告された方法を用いて導入し、2週間後の心筋内導入効率を確認した。結果として、心筋内直接注入とは異なりdiffuseな導入が得られその効率の高さが認められた。 2.我々が培養細胞にてその心筋肥大抑制効果が確認されたp16を上記のベクターに組み込み、大動脈狭窄モデルを作成し、肥大抑制効果を検討した。結果は、遺伝子導入後2週間にてコントロール(p16なし)に比べ明らかな肥大抑制が認められ、p16の心筋内発現が観察された。
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