1)Gap junctionの観察 ・免疫組織染色 : anti-connexin 43 antibodyを一次抗体としてENVISION(DAKO co.)にて発色。 ・蛍光染色 : anti-connexin 43 antibodyを一次抗体としてFITC発色。・免疫電顕 : anti-connexin 43 antibody に金コロイド標識。以上の3方法による形態観察を行い、若年・成人・加齢心臓の3群でgap junctionの変化を観察。結果、若年から成人にかけてgap junctionは増加し、加齢に伴い再び減少する傾向を認めた。これは同時に施行したconnexin 43のwestern blottingにおいても同様の結果が得られた。 2)心筋内遺伝子導入 globalな遺伝子導入を行う方法として、1998年Hajjorらに報告されたモデルを参考にadenovirous vectorを用い、効率的な導入が可能かどうか検討した。結果は、100%の確率ではないが極めて有効な導入が可能であった。しかも、心筋の炎症所見も軽度であり将来的な臨床応用への可能性が示唆された。 3)病的心への遺伝子導入 上述の方法により病的心への遺伝子導入を行い、実質的に機能するかどうかを検討した。 モデルはラットの上行大動脈をbandingした圧負荷肥大心を作成しin vivoにて肥大抑制の有効性が認められたp16をadenovirous vectorに組み込み遺伝子導入を行った。結果、2週間後に摘出した心筋内にdiffuseなp16の発現が認められ、同時に心筋重量・形態的にも明らかな肥大抑制が認められた。したがって同方法は病的心においても有効であることが証明された。
|