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1998 年度 実績報告書

生体由来材料を用いた小口径人工血管の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10671251
研究機関京都大学

研究代表者

羽生 道弥  京都大学, 医学研究科, 助手 (70293868)

研究分担者 中村 達雄  京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
清水 慶彦  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00027111)
キーワードacellular matrix / detergent / 再生 / 人工血管
研究概要

実験方法
ブタの新鮮な頚動脈を卸売り市場で購入し、それをTritonX.100を用いてdetergent処理をする。これによって動脈の細胞成分が脱落し、acellular matrixを得る。
このacellular matrixの内腔にヘパリンを結合させて、ヘパリン徐放性人工血管を作成した。
この人工血管を、ビーグル犬の腹部大動脈に移植した後、血管造影を行って開存を確認し、3週、18週、52週後に犠牲死させて、組織学的に検討した。
実験結果
acellular matrixの抗原性に関してはanti porcine IgG,anti porcine MHC classIIで評価した。この結果、detergent処理前には陽性であったものが、処理後には完全に陰性化した。
強度に関しては、移植後の大動脈圧に十分耐え、移植後51週に於いても良好に開存している事から、使用に耐え得るものと考えている。また、工学部の協力を得て、引っぱり強度、耐圧能を物理的に計測する予定である。
抗血栓性に関しては、ヘパリン結合状態を蛍光物質とヘパリンを結合させて人工血管と、ヘパリンの結合状態を調べている。移植血管の開存は、当初非常に良かったが、実験を進めていくに従って、血栓閉塞する例も見られた。今後、改良の余地が有ると考えている。改良方法については、現在2つの方法を考えており、4月から改良型の実験に着手する予定にしている。
移植後の人工血管の組織学的変化は、3週後には内腔の約80%に、新生内皮細胞をを認めるが、人工血管中央部にまでは達していない。18週後には内腔は完全に新生内皮で被われている。それとともに人工血管の吸収及び、再生過程も進行し、51週後には人工血管は自己細胞によってほぼ完全な動脈の構造を示した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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