研究課題/領域番号 |
10671253
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40252647)
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研究分担者 |
南 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10240847)
尹 亨彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50283768)
三好 新一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00190827)
武田 伸一 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30236468)
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キーワード | 重症筋無力症 / 免疫抑制療法 |
研究概要 |
重症筋無力症(以下、MG)は、ニコチニック・アセチルコリンレセプター(以下、AChR)に対する自己抗体の出現により神経筋接合部のAChRが破壊され、全身の筋力低下をきたす難治性の神経・筋疾患である。拡大胸腺摘出術はMGに対する外科治療として確立されているが、難治性症例やクリーゼを繰り返す症例も一部に存在し、そのような症例ではステロイドホルモン剤投与、血漿交換治療法が行われるのが一般的である。特に最近当教室においては、サイクロスポリンAによる免疫抑制療法を積極的に行っており、その長期使用における有効性を確認している。しかしながら、長期の非特異的免疫抑制療法には全身的な副作用併発の可能性、日和見感染の危険性が内在しており、このような"非特異的"免疫抑制療法に代わって、自己抗原反応性の免疫担当細胞だけを抑制する、いわゆる"特異的"免疫抑制療法の開発が望まれる。MGにおける自己抗体産生はT細胞依存性であるので、今回、我々はAChRを認識するT細胞を抑制することによる特異的免疫抑制法の開発を検討した。まず、AChRを特異的に認識するT細胞のクローニングを試みた。そのため、AChRαサブユニットのアミノ酸配列を元に、約20アミノ酸残基長のペプチド35種類を作成した。これらを用いてMG患者2例から手術により切除された胸腺由来リンパ球を刺激し、AChRαサブユニットを認識するT細胞のクローニングを行った。1例の患者において、AChRαサブユニットのMain immunogenic region(MIR,α90-100付近)の配列を含む21アミノ酸残基長の合成ペプチドを認識するT細胞クローンを確立した。今後、このAChR特異的T細胞クローンが認識する抗原エピトープを決定し、このT細胞をアナジーに誘導するペプチドを決定する。
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