研究概要 |
HLA-Gが異種であるブタの血管内皮細胞に発現させ、ヒトNKcellを抑制することを、H10年度に報告した。引き続き、HLA-Eについて、同様な実験をおこなった。また、糖転移酵素により 1) ヒトHLA-EのcDNAをヒトじゅうもう細胞よりRT-PCR法によりクローニングした。これらを動物細胞発現ベクターpCAGGS(brta-actin promoter)に組み込んだ。HLA-Eはシグナルペプチドを他のHLAのものを利用して発現することがしられているいため、HLA-EのそれをHLA-Gで置き換えたもの(HLA-GE)も合成し、同じくpCAGGSに組み込んだ。 CHO細胞でのこれらの一過性の発現は、HLA-Eそのものでは殆ど発現をみないのに対して、HLA-GEでははっきりと発現した。 次に、このHLA-GEをブタ血管内皮細胞(MYP30)へlipid法により遺伝子導入し、安定形質発現細胞株を数クローン得ることに成功した。 これらのクローンは、ヒトのNK細胞による細胞傷害試験を行った結果、はっきりとNK細胞によるブタ血管内皮細胞の攻撃を抑制した。 2) 次に、糖転移酵素 α1,2FT、α2,3ST、α2,6 ST、GNT-lll。 これらの高発現のクローンを樹立する。これにヒトのNK細胞を反応させてA.のごとくさまざまな細胞障害活性を調べ、コントロールのブタの血管内皮に対する反応との差を検討する。
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