研究課題/領域番号 |
10671260
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
入江 博之 岡山大学, 医学部, 助手 (20263585)
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研究分担者 |
佐野 俊二 岡山大学, 医学部, 教授 (50235438)
青木 淳 岡山大学, 医学部, 助手 (00271057)
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キーワード | チアノーゼ / Ischemic Preconditioning / ランゲンドルフ灌流 / ヒートショックプロテイン |
研究概要 |
現在までに、Hypoxic Chamber内でラットを飼育した状態で安定してFiO2=10.0±0.3%の酸素濃度を維持することが可能になった。これにより、チアノーゼラットを安定して作成することに成功した。2週間飼育した結果、チアノーゼラットは非チアノーゼラットに比べ、体重増加が少なかった。また、非チアノーゼラットを用いてIs0lated Working Rat Heart Modelでの心機能測定手技を確立した。37℃、15分の虚血、再潅流後の各種心機能測定値はcontrol群として非常に安定していると考えられた。これにより、今後、control群とischemic preconditioning(IP)群との比較検討が可能となった。HSPの測定については、42℃、20分の熱刺激を与えたラットにおいて、24時間後に心筋細胞中にHSPの発現を認めた。 8週齢、260gのWister系雄性ラットを2週間room airにて飼育した群を非チアノーゼ群とする。低酸素発生装置(帝人社製)にて低酸素空気(FiO2=11%)を得、Hypoxic Chamberへ送り込み、Chamber内でラットを飼育した状態でFiO2=10.0±0.3%となるようにコントロールする。8週齢、260gのWister系雄性ラットを2週間Hypoxic Chamberで飼育した群をチアノーゼ群とする。現在までにこれらの2群のラットを安定して作成することに成功した。 また、Isolated Working Rat Heart Model(Hearse,1975)を確立し、心機能の評価として大動脈流量(AF)、冠潅流量(CF)、心拍出量(CO)、大動脈圧(BP)、心拍数(HR)冠潅流液中のCPK流出量(CPK)を安定して測定することが可能になった。5分間のLangendorf潅流(L灌流)、その後20分間のWorking潅流(W灌流)そして15分間の常温虚血のIPを行った。更に15分間のL灌流、20分間のW灌流のプロトコールで実験を行った。 非チアノーゼ群(n=5)において上記のプロトコールでIP0分(=control群)について心機能を測定した。虚血前および虚血後のWorking潅流中に上記の心機能を測定し、それぞれ虚血前値および虚血後値とする。虚血後値の虚血前値に対する割合を回復率(%)とすると、それぞれ、 %CF=82.2±9.3% %HR=91.6±10.0% %CO=64.0±8.0% %AF=58.7±8.5% CPK=4.0±2.2IU/l0min/g wet weight(平均±標準偏差)であった。
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