研究課題/領域番号 |
10671262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
前田 肇 香川医科大学, 医学部, 教授 (00075508)
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研究分担者 |
宮本 和幸 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40325345)
小江 雅弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00279340)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 心臓性ショック / 出血性ショック / 心臓タンポナーデ / 心臓神経 / 腎交感神経活動 / 圧受容器 / オピオイドレセプター / NO |
研究概要 |
ショック時には交感神経の興奮が高まり、血圧維持に働くことが知られている。そこで、ショック時の交感神経興奮が重症度と共に一様に増加を示すのか、ショックの原因の違いによる交感神経活動に差違はないのかという疑問を解決することを目的とした。 意識下家兎心臓タンポナーデモデル(CT)を作成し、圧受容器と容量受容器からの相反する入力に対して、出力系である腎交感神経活動(RNA)と平均動脈血圧(MAP)の変化を調べた。その結果、RNAは反射系が正常な群では血圧低下を見ないレベルのCTでは増加するが、血圧が低下する場合には逆に減少するという2相性の反応を示した。圧受容器除神経群ではCTによりMAPの容易な低下は認めたがRNAは増加も減少も認めなかった。しかし、ナロキソン投与によりMAP、RNAともに増加した。心臓除神経群ではMAPは反射系が正常な群と同様に変化し、RNAの増加は認めたがその後の減少は認めず、またナロキソン投与による変化も認めなかった。以上の結果より、RNAの増加には頸動脈洞・大動脈弓圧受容器が関与し、その減少には心臓神経が関与していると考えられ、低血圧時の急激なRNAの減少にはオピオイドレセプターの関与も示唆された。さらに、7-nitroindazoleの腹腔内投与によってNO合成酵素活性は大脳皮質や延髄で低下し、RNAの急激な減少反応も消失したことから、低血圧時の急激なRNAの減少には中枢神経系のNOも何らかの形で関与していることが示唆された。 次いで麻酔下家兎を用いてRNAと圧受容器反射に及ぼす心臓性ショックと出血性ショックの違いを調べた。心臓性ショック時には迷走神経を求心路として圧受容器反射が抑制されたが、出血性ショックでは抑制が見られなかった。心臓性ショックでは出血性ショックに比較し、迷走神経を介した交感神経抑制が強く働いていることが明らかになった。
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