研究課題/領域番号 |
10671270
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
上田 恵介 帝京大学, 医学部, 教授 (60158772)
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研究分担者 |
芝田 敏勝 土浦協同病院, 病理部, 部長
上田 照子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60168630)
飯沼 久恵 帝京大学, 医学部, 助手 (30147102)
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キーワード | 細胞移植 / 虚血心臓 / 三次元培養 / 共培養 / サテライト細胞 / 初代培養 / 心筋障害 |
研究概要 |
1.初年度と次年度の研究実績から、第3年度の到達目標を、骨格筋細胞移植を前提として、"アダルト・ラット心筋細胞と骨格筋細胞の混合培養を行い、特に心筋細胞の生理特性の変化の有無を検討する"こととした. 二年間の心筋培養研究により、通常培養法による伸展接着心筋細胞では、(1)個々の細胞レベルでの自動収縮運動は見られるが周辺細胞との同調収縮運動が見られない、(2)二週間以上の長期生存が困難である、(3)心筋細胞培養条件が骨格筋細胞培養条件に適さない、ことが判明し、これらの欠点を克服しうる心筋培養法を新たに確立する必要があった.そのため、従来の平面培養方式をやめ三次元培養方式に切り替えた.研究初期には、培養細胞が空胞変性を含む病理変化を来して死滅したため培養液及び添加物を検討し、最終的に三次元培養を可能にした.その結果、(1)培養液を週に一度交換するだけで二ヶ月以上の生存が可能になった、(2)多数のギャップ結合が細胞間に出現し、細胞塊としての同調収縮運動が得られた.この細胞塊をfunctioning clusterと称しすることにした. 2.三次元培養法でアダルト・ラット心筋細胞と骨格筋芽細胞の混合培養を行った.実験系の簡略化のために骨格筋芽細胞としてL6細胞を使用した.混合培養を行うため両細胞の混合最適細胞数を決定し、この条件で混合培養を行ったところ、10日前後でL6細胞の外観が心筋細胞様に変化した. 3.本研究は心損傷・障害に対処しうる再生医療研究につながり、最終目的は心筋組織の再構築である.現在の到達段階においても、三次元培養細胞塊はより劣悪な条件下での生存が可能で、細胞移植の臨床応用に適した細胞塊であると考えている.
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