研究課題/領域番号 |
10671271
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
平野 隆 東京医科大学, 医学部, 講師 (30238381)
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研究分担者 |
小中 千守 東京医科大学, 医学部, 助教授 (70147180)
河手 典彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (70204740)
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 助手 (70246205)
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
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キーワード | 肺癌蛋白 / 抗体 / 手術予後 / TA02 / Napsin A / reticulocarbin / GST-π |
研究概要 |
高分化症例の検討で原発性肺癌各組織型に特徴的な2次元電気泳動パターンを決定した。これに基づき原発性肺腺癌の典型的泳動像を示す症例(定型例)と示さない症例(非定型例)で病理学的諸因子・予後(再発までの期間)を比較検討した。定型例では非定型例に比べ高分化型・リンパ節転移陰性例が多く(定型例の65.4%、非定型例の20.5%が高分化型、定型例の65.4%、非定型例の34.9%がリンパ節転移陰性)、また定型例で再発までの期間も長かった(3年間無再発率で定型例62.9%、非定型例で27.1%、p=0.0011)。 肺腺癌関連蛋白TA02分子のN末端側を認識するモノクローナル抗体を作製した。ヒト正常組織での免疫組織化学解析でTA02はII型肺胞上皮の細胞質に高発現し、尿細管、膵外分泌腺上皮の一部で発現していた。原発性肺癌組織では腺癌の81%が陽性、その他の組織型では大細胞癌の一部で弱陽性、その他の組織型では陰性だった。膵癌・乳癌・甲状腺癌・大腸癌・卵巣癌のごく一部で弱陽性を示した。98年に新しいasparticprotenaseとしてNapsinAの遺伝子配列が公表されたがTA02のN末端と相同性が高った。RNAレベルでのTA02発現肺腺癌症例のnapsinA発現と、napsinn A-GST fusion proteinの抗TA02抗体との反応性を示すことでnapsinAとTA02との同一性を示した。 CDDP耐性肺癌培養細胞と親株との比較で発現量が顕著に低下・増加する蛋白をそれぞれ1つずつ2次元電気泳動ゲル上で同定した。N末端側アミノ酸解析の結果、前者がendoplasmic reticulumに存在するカルシウム結合性蛋白であるreticulocarbinと相同なこと、後者がglutathione-s-transferase π (GST-π)と相同な分子であった。
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