研究課題/領域番号 |
10671282
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高野 晋吾 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50292553)
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研究分担者 |
三井 洋司 工業技術院, 生命工学技術研究所, 首席研究官
坪井 康次 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90188615)
奥田 諭吉 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (60211132)
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キーワード | 血管新生 / 神経膠腫 / VEGF / promoter / thrombospondin 1 / thymidine phosphorylase / IP10 / interferon-β |
研究概要 |
1.グリオーマにおける血管新生バランス:9種のグリオーマ細胞、68例のグリオーマ組織、3例の正常脳よりRNAを抽出し、RT-PCRを行い種々の血管新生因子、抑制因子のmRNAを定量化した。同時に免疫染色を行った。細胞の血管新生能は細胞培養上清液のHUVECに対する遊走能、組織の血管新生能はmicrovascular densityで評価した。1)VGEFとthrombospondin-1(TSP1)のバランスがグリオーマの血管新生を調節していた(第7回脳腫瘍カンファランス)。2)VEGFの発現の高いLow grade astrocytomaは、VEGFによって誘導されるosteopontin,tissue factorが強く発現し、悪性化を予測する因子であった(第7回脳腫瘍カンファランス)。3)Thymnidine phosphorylaseの発現はグリオーマの血管新生、apoptosisに密接に関わる因子であった。(57回日本癌学会)。2.グリオーマの内因慢血管新生抑制因子の過剰発現:1)TSP1の発現plasmid DNA(pcDNA TS1)およびコントロールplasmid(pcDNA neo)の調整を行った。TSP1発現の低いグリオーマ細胞(Becker)に次年度強制発現させ、血管新生バランスを負の方向に傾け、in vitroおよびin vivoの血管新生抑制、脳腫瘍増殖抑制の状態を検討する。2)Interferon-β投与によりグリオーマ細胞のIP10の発現がmRNA,蛋白レベルで上昇し、interferon-βのグリオーマ増殖抑制の機序の一つとして血管新生抑制が考えられた。3.VEGF promoter/reporter plasmidの作成:マウスVEGF promoter/reporter plasmid(pGL-VEGF)を作成し、ラットC6グリオーマ細胞にトランスフェクション、luciferase activityを測定し、VEGFpromoter activityを評価する系を確立させた。次年度はヒトVEGF promoter / reporter plasmidを作成すると共に、VEGF promoter activityを抑制する物質を探索し、ラットC6脳腫瘍モデルおよびラットC6脳腫瘍微小循環モデルを用いて、in vivoでの効果を判定する。
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