研究概要 |
1)グリオーマにおける血管新生バランス:グリオーマ細胞、グリオーマ組織、正常脳よりRNAを抽出し、RT-PCRにより種々の血管新生因子、抑制因子のmRNAを定量化し、同時に免疫染色を行った。その結果、VEGFとthrombospondin-1(TSP1)のバランスがグリオーマの血管新生を調節していた。また、interfereon-βの投与によりVEGFの発現が抑制され、IP10の発現が亢進し、バランスが血管新生抑制の方向に働いた。 2)内因性血管新生因子の利用:Thrombospondin-1(TSP1)発現plasmid DNA(pcDNA TS1)をグリオーマ細胞(U87,U251)に強制発現させることを計画した。まだstable transfectantが得られずに実験をくり返している。 3)外因性血管新生抑制物質の利用:マウスおよびヒトVEGF/reporter plasmidを作成し、luciferase assayによりVEGF promoter activityを抑制する物質を探索した。thrombospondin,genistein,mithramycin、theobrominがpromoter activityを抑制し、引き続きVEGFのmRNA発現および蛋白産生を抑制した。pentoxyfillinがVEGFのmRNA発現および蛋白産生を抑制した。これらはグリオーマ細胞が誘発する血管内皮細胞の遊走を抑制した。 4)U87グリオーマ腫瘍片を移植したMouse Crania1 Window Mode1を用いたintravital tumor microcirculationの評価で上記血管新生抑制物質の効果を判定している。
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