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1999 年度 研究成果報告書概要

ヒト悪性神経膠腫における壊死誘発遺伝子標的治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671288
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 脳神経外科学
研究機関金沢大学

研究代表者

立花 修  金沢大学, 医学部, 講師 (40211362)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
キーワード悪性神経膠腫 / necrogenesis / アポトーシス / death receptor / カスパーゼ3
研究概要

神経膠芽腫の壊死巣は大壊死巣(large necrosis)と小壊死巣(pseudopallisading)に分類される。本腫瘍における異なる壊死巣の機序が同定できれば、これを利用した治療の開発に結び付く可能性が考えられる。2種類の壊死巣形成機構とdeath receptor/death ligandの解析により、この機序を利用して治療に結び付けることを目指し、壊死原因遺伝子の解析をおこなった。
神経膠芽腫の手術摘出材料10例において、小壊死巣と大壊死巣をそれぞれ認める5例づつを選び、壊死誘発遺伝子発現細胞の局在をTUNEL法、免役組織化学療法を用いて検討した。あわせて、RT-PCR法を用いて、TRAIL、DR4、DR5、DcR2、DcR3のmRNAの発現を検討した。抗体はFADD、Fas-L、TRAIL、DR4、DR5、DcR1、DcR1、DcR2、プロカスパーゼ3、活性型カスパーゼ3、プロカスパーゼ9、チトクロームCおよびPARPに対する抗体を使用した。結果はFADD、Fas-L、TRAIL、チトクロームCおよびPARPが全症例において、壊死巣とは関係なく大部分の腫瘍細胞に発現がみられた。DR4は血管内皮細胞に発現がみられた。DcR1、DcR2、プロカスパーゼ9は一部の症例で腫瘍細胞に発現がみられた。DR5は大壊死巣の周囲の腫瘍細胞に発現がみられ、プロカスパーゼ3および活性型カスパーゼ3は小壊死巣の周囲の細胞に発現がみられTUNEL陽性のアポトーシスをきたした細胞と使い関係を示した。DR5とTRAIL発現細胞の局在は、FasとFas-Lの局在の関係と極めて類似していた。小壊死巣におけるカスパーゼ3、特に活性型の発現は、本形態学特徴と極めて強い関係を示した。以上より、神経膠芽腫の組織学特徴である小壊死巣と大壊死巣は、異なった機構により発生すると考えられた。すなわち、大壊死巣は周囲の腫瘍細胞がdeath receptroであるFas、DR5を発現しており、小壊死巣はカスパーゼ3の活性により特徴づけられるものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iwato M, Tachibana O, Tohma Y, Nitta H, Hayashi Y, Yamashita J: "Molecular analysis for p53 and mdm2 in intracranial germ cell tumors."Acta Neuropathol (Berl). 99(1). 21-5 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2001-10-23  

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