研究概要 |
破裂脳動脈瘤の増大メカニズムを解明する目的にて、ラットを用いて実験的動脈瘤を作成して経時的な観察により増大メカニズムを組織学的に観察し、実験的動脈瘤のneckおよびdomeにおける経時的な形態変化を、壁構成成分の微細構造と細胞配列の3次元構築に注目して明らかにした。動脈瘤の作成は、ラット腹部大動脈を用いて、壁の側に大腿静脈片をバッチして行った。作製1,2,4,8,16,32週間後にホルマリン固定および電顕用固定を行った。 量子顕微鏡による検討:血管内腔面において内皮細胞の形態と付着する血球成分を走査型顕微鏡を用いて観察し、また瘤の各部分における壁構成細胞と細胞外マトリックスの微細構造変化を透過型顕微鏡にて検討した。その結果、瘤の内腔に白血球の付着を認め、この変化は血流側に多く存在した。HE標本では、内膜下の細胞数増大と瘤の増大を観察した。瘤の増大メカニズムを検討するため血流方向にそった切片において血流の心臓側の頚において平滑筋の遊走を観察し、現在その分子生物学的検討を行っている。
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