研究課題/領域番号 |
10671293
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中洲 敏 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (00135477)
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研究分担者 |
中島 正之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40283569)
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キーワード | glioma / p27^<Kip1> / p21^<Cip1> / p57^<Kip2> / astrocyte / cyclin E / c-myc |
研究概要 |
1. ラットでの免疫組織化学によるCip/Kip familyの出現を検討した。p27が主にglia系の細胞および神経細胞の一部に発現しており、gliosisではp27の発現の低下がおこっていた。 2. astrocytoma系の腫瘍ではp27はMIB-1などの増殖マーカーと相反的に出現することを確認した。しかし、増殖能が高いにもかかわらずp27が高頻度に出現しているものがあり、腫瘍によりばらつきを認め、他の要因も働いていると考えられた。そのため、p27に関連する各種の細胞周期関連蛋白の出現を調べたところ、cyclin Eとc-mycの出現がある場合に増殖能の高い腫瘍でもp27が高頻度に発現している傾向がつかめた。今後、例数を増やすとともに、蛋白の代謝、mRNAレベルでの調節とどのようにかかわっているかを検討していく予定である。 3. 従来いわれていたようにp21は腫瘍のgradeと平行して増加する傾向があったが、それよりもp53の出現の有無(おそらくmutationの有無)と関連していた。 4. p57の発現は正常のastrocyteやreactive astrocyteでは見られないが、腫瘍内ではしばしば認められ、比較的p21に似た分布を示した。この発現機構や意義については今後検索して行く予定である。 以上の内容の一部は、日本脳腫瘍学会で発表予定で、Brain Tumor Patholにin pressとなっている。
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