研究課題/領域番号 |
10671293
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
中洲 敏 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00135477)
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研究分担者 |
中島 正之 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40283569)
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キーワード | craniopharyngioma / p21^<dp1 / waf-1> / p27^<kip-1> / MIB-1 / apoptosis / glioma / meningioma / pituitary gland |
研究概要 |
本年度は下垂体組織での放射線照射後のp27、p21、p16の発現経過を追跡しており、p27が一過性に減少することと一過性の増殖マーカーの上昇が一致しておこることを学会報告予定で(第19回日本脳腫瘍病理学会)、現在論文作成中である また、頭蓋咽頭腫(CR)、類上皮腫(EP)で免疫組織化学的にp21、p27の出現を比較検討した。EPIではMIB-1staining index(SI)は基底層で12.6±5.4%で、基底上層では1.25±1.01%であった。P21は角化前の細胞に弱く出現したが、p27は基底上層にdiffuseに染色された。一方、CRAではSIは基底層でEPより有意に低く(4.81±2.99%)、基底上層では有意差はなかった。p21はadamantinomatous typeの角化直前の細胞に出現したが、squamous typeではほとんど認められなかった。p27は一般に基底上層に出現するものの頻度が低く、特にsquamous typeではほとんど出現していないことが多かった。TUNEL陽性細胞はいずれの腫瘍においても、最終分化段階での細胞で陽性を示した。以上よりCRAでは増殖から細胞死に至る過程での分化の遅れがおこっており、Cip/Kip familyの出現の低下がそれに関与している可能性がある。以上を第59回日本脳神経外科学会で発表し、論文準備中である。 また、髄膜腫でのp27やp21、p16と増殖能や、テロメア長、テロメラーゼの発現との関係を検討している。
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