研究課題/領域番号 |
10671302
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 恭裕 岡山大学, 医学部, 助手 (40294409)
|
研究分担者 |
松本 健五 岡山大学, 医学部, 助教授 (10190521)
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30181457)
田宮 隆 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252953)
|
キーワード | adenovirus vector / gene therapy / brain tuwor / cytosine deaminase |
研究概要 |
平成10年度の研究経過および今後の計画について報告する。 1) CD/5-FCsystemの改良 我々は従来より種々の薬剤感受性を検討してきたが、大腸菌cytosine deaminase(CD)遺伝子を腫瘍内に導入し、5-fluorocytosine(5-FC)を全身投与するシステム(CD/5-FCsystem)が最も高い抗腫瘍効果を示した(Ichikawa et al.CancerGeneTher,1999)。そこで今回は大腸菌uracil phosphoribosyl transferase(UPRT)遺伝子をCD遺伝子と同時発現させることでさらに抗腫瘍効果を高めれるかどうかを検討した。In vitroにおいてグリオーマ細胞株ではCD遺伝子単独よりもUPRT遺伝子を同時発現した方が有意に5-FCに対する感受性が増した。またラット脳腫瘍モデルを用いたin vivo実験でもCD遺伝子およびUPRT遺伝子を同時発現させた場合、より少ないadenovirus vectorで抗腫瘍効果があることがMRIやsurvival studyで証明された。 2) Adenovirus vectorの改良 Adenovirus vectorの欠点とされる腫瘍特異性と免疫原性の改善を目的とした研究を行っている。細胞側受容体との吸着を担うファイバー・ノブ蛋白部分の遺伝子組替えを行ったファイバー・ノブ変異体adenovirusはグリオーマ細胞株に対してのみ感染効率が上昇した(Yoshida et al.Hum Gene Ther,1998)。 In vitro実験の結果を踏まえ、現在in vivo実験を行っている段階であり、またさらに改良を加えたファイバー・ノブ変異体を同時に作成中である。この改良型adenovirus vectorを用いることでより腫瘍選択的な遺伝子治療が可能と考えている。
|