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1999 年度 実績報告書

悪性神経膠腫の血管新生に関与する遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 10671307
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

福山 幸三  佐賀医科大学, 医学部, 講師 (60238516)

研究分担者 戸田 啓介  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80274588)
峯田 寿裕  佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
田渕 和雄  佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
キーワードglioma / angiogenesis / PD-ECGF / hypoxia / VEGF / Ets-1
研究概要

(1)神経膠腫におけるPD-ECGFの発現と血管新生
悪性神経膠腫の三分の一の症例では腫瘍細胞においてPD-ECGFの強い発現がみられ、三分の一の症例では腫瘍細胞以外の血管周囲組織にPD-ECGFの発現が観察される。PD-ECGFは、腫瘍に浸潤しているマクロファージにも発現がみられ、血管新生の誘導には、マクロファージの浸潤が重要な役割を果たしていると考えられる。マクロファージはおもにTNF-αやIL-8を介して血管新生を誘導すると考えられる。PD-ECGFを発現している腫瘍患者群の予後は、相対的に不良であった。
(2)虚血環境下におけるPD-ECGFの発現誘導
神経膠腫細胞、血管内皮細胞、血管周皮細胞を低酸素条件下(1%酸素)にて培養すると、神経膠腫細胞は増殖が促進されたが、血管内皮細胞、血管周皮細胞にはアポトーシスが誘導された。ノーザンブロットにより、神経膠腫細胞では低酸素刺激によりPD-ECGF発現が誘導されたが、血管内皮細胞、血管周皮細胞では誘導されなかった。低酸素刺激による神経膠腫細胞の血管新生誘導には、PD-ECGEが関与していると考えられた。
(3)PD-ECGFの発現調節機構
PD-ECGF遺伝子の転写調節領域には、E2F、SP1、CREB、STAT、p300、Ets、NFk、AP1、Myc、HSFの転写因子結合配列が存在する。このうち、p300、Ets、HSFは、虚血刺激により誘導される。腫瘍細胞では、虚血刺激によりEts-1の発現が誘導され、VEGF-Rの発現が増加する。Ets-1はVEGF-RのみでなくPD-ECGFを介して、血管新生に関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 田渕和雄,福山幸三: "グリオーマのWHO分類と分子生物学的知見"神経研究の進歩. 43. 327-337 (1999)

  • [文献書誌] 田渕和雄,福山幸三: "グリオーマにおける細胞接着機能"脳の科学. 21. 959-966 (1999)

  • [文献書誌] 田渕和雄,香畑智彦,福山幸三: "脳腫瘍の遺伝子解析"脳神経外科ジャーナル. 8. 3-12 (1999)

  • [文献書誌] 田渕和雄: "脳腫瘍の遺伝子解析"Brain Tumor Pathology. 15. 204-208 (1998)

  • [文献書誌] 田渕和雄,福山幸三: "脳神経外科と分子生物学:発癌の分子生物学"脳神経外科. 26. 468-476 (1998)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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