研究概要 |
1) ブタ実験動脈瘤モデル(10-20kg)を用いて動脈瘤内の血流速度を計算した.すなわち,ブタ頚部頚動脈に静脈pouchを吻合することにより実験動脈瘤を作成,ブタ実験動脈瘤の生理的形態を保存したまま100%ethanolにて固定,摘出,methyl salicylateにて透明化,po1ystylene粒子を圧120cm水柱,流速50cm/secにて潅流し高速VTRを用いその動きを観察,実験動脈瘤および親動脈に関心領域を定め,局所血流速度を求めた(狩野法).その結果動脈瘤内の血流はまず流入部にあたり,その後開散することが観察された(Interventional Neuroradiology4(suppl 1),77-80,1998). 2) 実験動脈瘤モデルを造影剤(iopamidol 350)混合生埋食塩水で潅流,DSA(東芝製Angiorex Superseries)にて撮影,その造影剤濃度時間変化曲線から血流速度を求めた.すなわち,造影剤を1秒間に2cc注入,実験動脈瘤および親動脈に関心領域を定め,その造影剤濃度を1秒間30flameで撮影,造影剤濃度時間変化曲線を描かせ,さらにその曲線の積分曲線を求め,その中点の時刻を造影剤平均通過時間とし,造影剤平均通過時間と血管径より局所血流速度を求めた.また超音波を用いて血流速度を計測した.その結果,造影剤による血流速度と超音波による血流速度は相関した(京府医大誌107,587-591,1998). 3) ヒト脳動脈瘤症例で,DSAを用いその造影剤濃度時間変化曲線から平均通過時間を求めた.その結果大きい動脈瘤では造影剤は遅延する傾向にあった(AJNR Am J Neuroradiol19,1303-1307,1998). 4) DSAの造影剤平均通過時間を用いた血流速度を,画像化するsoft wearを試作した.
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