研究概要 |
視床下部ホルモンの下垂体腺腫の発生・増殖・機能分化への関与を明らかにすることを目的とし本研究を行った。手術時摘出下垂体腺腫組織を 1)免疫組織化学、2)RT-PCR,3)in situ hybridization(in situ RT-PCR)それぞれの用途別に採取し、視床下部ホルモンGonadotropin releasing hormone(GnRH),GnRH-Receptor,Growth hormon releasing hormone(GHRH),GHRH-R,Somatostatin Receptorに関して、検討を行った。下垂体前葉ホルモンに関する免疫組織化学を同一組織を用いて行い、ホルモン産生との関係を検討した。 RT-PCR,in situ RT-PCR法を用いると、GnRH,GHRHはすべての種類の腺腫で検出された。GnRH-Rに関してはGonadotropin産生腫瘍と非機能性腺腫において全例に発現が見られた。従来非機能性と分類されてきた腫瘍であってもホルモンの遺伝子を有するものが少なからず存在し、その細胞起源のほとんどはGonadotrophであることを裏付ける一つの重大な結果と解釈できる。また、GHRH-Rに関してはGH産生腫瘍において発現を認め、ソマトスタチン受容体SSTR,type I-Vのうち、typeII,VがGH,TSH産生腫瘍で強く発現していた。現在症例数ふ増やすとともに、以上の分子生物学的・病理学的所見とと臨床上のソマトスタチン反応性との関係を対比検討中である。
|