研究課題/領域番号 |
10671337
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
熱田 裕司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90167924)
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研究分担者 |
佐藤 雅規 旭川医科大学, 医学部, 助手 (40281886)
猪川 輪哉 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00301987)
後藤 英司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50142807)
武田 直樹 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80227032)
松野 丈夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10165847)
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キーワード | 神経根 / 坐骨神経痛 / 一酸化窒素 / セロトニン / 異所性発火 / 電気生理学 / in vitroモデル |
研究概要 |
(1) 猫神経根を用いてin vitro神経根モデルの実験系を作成した。本年は特にNOの知覚神経節細胞興奮性に及ぼす影響に注目して解析した。NO releaserであるNOC-7を投与すると、濃度依存性に神経節細胞の興奮を惹起した。この作用はcGMP analogである8brom-cGMPでmimicすることが可能であり、またguanilate cyclase blockerの,LY83583によって強く抑制された。このことから、このNOの興奮性作用はcGMP pathwayを介することが判明した。椎間板ヘルニアではNOが神経根に作用しうる可能性があり、NOが坐骨神経痛の発現に関与する可能性を示した。 (2) In vivoすなわち生体内で慢性的に障害された神経根において、神経根を中枢と末梢から分離したモデルを作成した。このモデルでは神経根に強い自発性発射活動の存在を認めた。セロトニンやNOS analogの局所投与は神経節細胞由来の興奮を増強した。この活動はセロトニン拮抗剤の静注により拮抗された。 (3) (2)で述べた神経根障害モデルにおいて、局所麻酔剤およびステロイド剤を各々作用させた。局所麻酔剤では異所性発火の抑制と同時に神経軸索の興奮伝導抑制が見られ、薬剤のwash-outによりこれらの抑制効果は消失した。一方、ステロイドの場合は異所性発火を強く抑制したが、軸索の興奮伝導抑制は見られなかった。 以上は坐骨神経痛の発生機序ならびに治療の原則を理解する上で重要な知見と考えられた。
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