• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

腰痛の病態解明に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10671344
研究機関千葉大学

研究代表者

高橋 和久  千葉大学, 医学部, 講師 (20179477)

キーワード腰痛 / Fos / 脳 / 椎間関節 / 後根神経節 / 関連痛 / 二分軸索 / 二重標識
研究概要

我々は腰痛における脊髄及び脳の反応部位、腰椎椎間関節障害時の疼痛発生機序の変化、腰椎椎間関節性関連痛のメカニズムについてラットを用い実験的に検討した。
(1)腰痛における脊椎及び脳における反応部位:急性腰痛モデルと表在痛モデルを作成、腰髄・脳にて凍結切片標本に抗Fos抗体を反応させ、脳、脊髄等にてFosの分布を調べた。腰痛モデルにて腰髄II層に少なく内臓知覚との類似性が示唆された。中脳水道周辺灰白質においては腰痛群では腹側に表在痛群では背側にFos発現が認められ、急性腰痛に於いて外傷性の痛みと異なる反応を示す事実との関連性が考えられた。
(2)腰椎椎間関節障害時の疼痛発生機序の変化:腰椎椎間関節炎症モデルを作成、正常群と椎間関節には疼痛に関与する小型後根神経節細胞が産生するSubstance P(以下SP)、Calcitonin Gene-Related Peptide(以下CGRP)の支配分節レベルの変化、比率、陽性細胞の断面積を検討した。炎症モデルではL1、L2におえてSP、CGRPともに有意に多く、陽性細胞は大きい傾向であり、上位後根神経節においてCGRP含有細胞が増加しまた全後根神経節でやや大きめの細胞でもCGRPを産生するような変化を認めた。炎症時には椎間関節性疼痛下で細胞レベルでのペプチド産生の変化、また産生細胞の割合の高位別の変化が生じており、疼痛発生機序を複雑なものにしている事が示唆された。
(3)椎間関節性の関連痛のメカニズム:二分軸索感覚神経細胞とは、枝わかれした2本の軸索を異なる組織に送る感覚神経細胞のことであり、関連痛発現の一因をなすと考えられている。腰椎椎間関節と坐骨神経の両方に軸索を出す二分軸索感覚神経細胞を二重蛍光標識法を用い証明した。この二分軸索神経細胞が腰椎椎間関節性の疼痛に関与している可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ohtori, S., et al.: "Sensory Innervation of Dorsal Portion of the Lumbar Intervertebral Discs in Rats"Spine. 24. 2295-2299 (1999)

  • [文献書誌] Ohtori, S. et al.: "Fos Expression in the Rat Brain and Spinal Cord Evoked by Noxious Stimulation to Low Back Muscle and Skin"Spine (in press).

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi