研究概要 |
近年,種々のレセプターが可溶型となり血中に存在していることが報告されてきた。我々も発症メカニズムとの関連において,可溶型TNFレセプターの測定を行い,その他のサイトカインとの関係について検討を行った。 対象はRA患者59例,OA(変形性膝関節症)患者17例の各膝関節液について検討を行った。検討項目はCRP,RFはLPIA法で,IL-6,IL-8,TNF-α,sTNF-R(P55),sTNF-R(P75)はELISA法で測定した。 sTNF-R(P55),sTNF-R(P75)の測定値はRA患者11.10±4.83ng/ml,OA患者6.47±2.06ng/mlでありRA患者がそれぞれ有意に高値であった(P<0.001)。また,その他の項目とsTNF-R(P55,P75)の相関はRA患者ではCRP(0.497),RF(0.296),IL-6(0.398),IL-8(0.464),TNF-α(-0.046)であった。一方OA患者では,CRP(0.603),RF(NS),IL-6(0.395),IL-8(0.494),TNF-α(0.368)であり,TNF-αに有意な差がみられた。 sTNF-RはP55,P75共にOAに較べてRAでは高値であったが,TNF-αとの検討ではOAに較べRAは負の傾向にありレセプターとリガンドとの関係について今後更なる検討の重要性が示唆された。
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