研究課題/領域番号 |
10671354
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平田 仁 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (80173243)
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研究分担者 |
樋廻 博重 三重大学, 医学部, 教授 (60024642)
山崎 隆 三重大学, 医学部, 助手 (70230399)
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キーワード | シュワン細胞 / 移植 / 末梢神経 / 軸策再生 / アンチセンス |
研究概要 |
本年度の研究により後根神経節と異系ラット由来培養シュワン細胞との3次元共培養系において移植シュワン細胞は後根神経節よりの軸索伸長とそれに伴うシュワン細胞の遊走を通常の約4倍高め、また、より長期間に亘るin vitroでの軸策伸長を可能とすることが分かった。更に移植同種シュワン細胞は一定の期間を過ぎるとアポトーシスを生じ排除されるが、後根神経節より軸策と共に遊走するシュワン細胞は同じ環境にありながら細胞死を生じないことが明らかとなった。さらに、この選択的アポトーシス誘導が神経成長因子(NGF)の低親和性レセプターであるp75NTRを介したシグナルにより制御されていることも判明した。以上の結果ハイブリッド型人工神経においては当初考えたような自殺遺伝子の導入による同種シュワン細胞の細胞死誘導は必要なく、かえって移植シュワン細胞を適度に分化した状態に保って細胞死誘導を送らせる必要があることが明らかとなった。そこで、現在NGF/p75NTR及びその下流においてこのシグナルを調整することで同種移植シュワン細胞の細胞死を制御しこれにより軸策伸長が如何なる影響を受けるかをin vitroで検討中であり、その結果を踏まえたin vivoモデルでの研究を来年度展開する予定である。
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