研究概要 |
5週令のラット肋軟骨より成長軟骨細胞を単離し、遠沈管による培養を4から5週間行った。遠心力については、600,1500,3000rpmを選び、時間についても2日に1回の培養液の交換の時に、5分及び2時間を選択し、それぞれのサンプルにHE染色、サフラニン-O染色、m-カルパインの抗体を使った免疫組織染色を行った。また、培養後4,7,10,14,17,21,24,28日の各サンプルにたいし、組織学的検討と平行して、DNA量、プロテオグリカン量、アルカリフォスファターゼ活性、カルパイン活性、最終石灰化産物のカルシウム含有量を測定した。1500rpm、5分の遠心管培養系では、DNA量は7日目でプラトーに達し、それから14日までプロテオグリカン量の増加が見られ、それ以降、アルカリフォスファターゼ活性の上昇が起こり、カルシウム含有量は21日目から少しずつ増加していった。m-カルパイン活性は14日目で検出可能となり、28日目では、約4倍に上昇していた。28日目のサフラニン-〇染色では、酸性ムコ多糖が十分染色されており、免疫組織染色にて、m-カルパインは肥大軟骨細胞内及び細胞外基質に多数存在していた。これに比べ、600rpm、2時間及び3000rpm、2時間の遠心管培養系では、内軟骨性骨化がやや遅れる印象が持たれるデータとなったが、統計学的有意差がまだでておらず、今後標本数を増やして検討を続けていく予定である。
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